「うちのフクロモモンガ、たまには外の空気を感じさせてあげたいな」「日向ぼっこさせてあげたら気持ちいいだろうな」って、考えたことはありませんか? 小さくてかわいいフクモモちゃんを見ていると、ついつい広い場所で遊ばせてあげたくなりますよね!
でも、ちょっと待ってください! フクロモモンガは、とってもデリケートで臆病な生き物。人間にとってはなんでもない「外の世界」が、フクモモちゃんにとっては命に関わるような大きな危険でいっぱいなんです。
この記事では、「フクロモモンガを外で散歩させたい!」という飼い主さんの気持ちに寄り添いながら、なぜ外での散歩がおすすめできないのか、そして安全にストレスを解消してあげるためのアイデアを、お話ししていきます。大切なフクモモちゃんを危険から守り、長く一緒に暮らすための知識を一緒に学んでいきましょう!
フクロモモンガは「夜行性」で「臆病」な生き物だと知ろう
まず、フクロモモンガがどんな生き物なのかを、もう一度おさらいしましょう。この子の「性質」を知ることが、外での散歩の是非を考えるうえで、とっても大事なポイントになります。
そもそもフクロモモンガはどんな動物?
フクロモモンガは、オーストラリアやパプアニューギニアの森に住む、「有袋類(ゆうたいるい)」の仲間です。カンガルーやコアラと同じように、お腹に袋を持っています。そして、一番のポイントは、彼らが「夜行性(やこうせい)」であるということです。
夜行性とは、名前の通り、夜に活動する生き物のこと。昼間は、木のうろ(穴)などでぐっすり眠って過ごし、日が沈んでから、ごはんを探したり、仲間と遊んだりします。
私たちが「お散歩に連れて行ってあげたいな」と思う「昼間」は、フクモモちゃんにとって、実は「寝ている時間」なんです。眠たい時間に無理やり起こされて、明るい場所に出されるのは、私たち人間が夜中に叩き起こされて、急にマラソンさせられるのと同じくらい、大きなストレスになってしまいます。
明るい場所と大きな音はフクモモちゃんにとって大敵!
フクロモモンガは、夜の暗い森で生活しているので、「光」に対してとても敏感(びんかん)です。強い日光や、急な明るい光は、フクモモちゃんの小さな目に大きな負担をかけ、最悪の場合、失明(しつめい)の原因にもなりかねません。
また、森の中で天敵から身を守って生きてきたため、生まれつき「臆病(おくびょう)」な性格の子が多いです。外の世界には、車や人の声、犬や猫の鳴き声など、フクモモちゃんが今まで聞いたことのない、大きな音や予期せぬ動きがたくさんあります。
これらの見慣れない光景や音は、フクモモちゃんをパニックに陥れてしまいます。「え!なにごと!」「怖い!」と強い恐怖を感じると、急な体調不良につながることもありますし、パニックで逃げ出してしまう危険性も高まります。

フクロモモンガを外で散歩させるのが危険な「具体的な理由」
フクロモモンガが夜行性で臆病だということがわかったうえで、外での散歩がなぜ危険なのかを、より具体的にお話ししていきます。これらの危険を知ることで、「絶対ダメだ!」と理解できるはずです。
逃走・脱走のリスク:小さな体は予測不能
フクロモモンガの体は、とても小さくて、身軽です。さらに、彼らは「滑空(かっくう)」という、空を滑るように移動する能力を持っています。
もし、外で「ハーネスが外れてしまった!」「抱っこしていた手が滑ってしまった!」なんてことになったら、フクモモちゃんは一瞬で高い場所や遠くへ逃げ去ってしまいます。彼らは逃げようとするとき、想像以上に素早いです。
一度逃げ出してしまうと、小さなフクモモちゃんを人ごみや広い公園の中から見つけ出すのは、ほぼ不可能だと言っていいでしょう。慣れない外の世界で、フクモモちゃんは飢えや寒さ、交通事故などで、すぐに命を落としてしまう可能性が非常に高いです。
寄生虫・病原菌のリスク:目に見えない脅威
外の地面や草むらには、目には見えない危険がたくさん潜んでいます。それが、寄生虫(きせいちゅう)や病原菌(びょうげんきん)です。
犬や猫のようにワクチンを打ってから散歩に出る動物とは違い、フクロモモンガは外に出すことを前提とした飼育方法が確立されていません。
- ノミ、ダニ:草むらや地面から付着し、皮膚病や貧血を引き起こす可能性があります。
- 細菌、ウイルス:他の野生動物のフンや、汚れた土、水たまりなどに触れることで、深刻な病気に感染してしまう危険があります。
フクロモモンガは体が小さいため、人間や犬猫なら大丈夫な程度の菌でも、重い病気になってしまうことがあります。一生懸命お世話してきたのに、たった一度の散歩で病気になってしまったら、悔やんでも悔やみきれませんよね。
天敵(てんてき)のリスク:猫やカラスの影
私たちが安全だと思っている場所でも、フクロモモンガにとっては命を狙う天敵が潜んでいます。
- 野良猫や飼い犬:彼らにとってフクロモモンガは「獲物(えもの)」に見えてしまいます。フクモモちゃんは抵抗できず、一瞬で襲われてしまう可能性があります。
- カラスや猛禽類(もうきんるい:タカやフクロウの仲間):空からフクモモちゃんを見つけ、急降下して連れ去ってしまう危険性もあります。
いくら飼い主さんがそばにいても、天敵の動きは予測できません。ほんの一瞬目を離した隙に、取り返しのつかない事態になってしまうのです。

フクロモモンガが喜ぶ! 安全な「お散歩の代わり」になるアイデア
外での散歩の危険性が理解できたなら、次は「じゃあ、どうやってフクモモちゃんにストレスなく楽しく過ごしてもらうか?」を考えましょう。外に出なくても、安全に、そしてたっぷり遊ばせてあげる方法はたくさんあります!
部屋の中を「探検の森」に変身させる!
フクロモモンガは、広い場所で「登る」「滑空する」「隠れる」といった本能的な行動を満たしてあげることが一番の喜びになります。
- 安全な遊び場(プレイグラウンド)の設置:ケージとは別に、安全な部屋の一角を遊び場にしてあげましょう。その際、必ず窓やドアを閉め、コード類や危険なものは片付けてください。
- 高い場所を確保:キャットタワー、止まり木、ハンモック、ロープなど、上り下りができるような道具を設置してあげると喜びます。フクモモちゃんは高いところから滑空するのが大好きです!
- 隠れ場所の充実:フェルトで作ったポーチやトンネルなど、隠れて安心できる場所を複数用意してあげましょう。
- ごはんを使った宝探し:隠れ場所の中に、フクモモちゃんの好きなフルーツやミルワームなどのおやつを少し隠してあげると、探検欲が満たされます。
部屋の中であっても、フクモモちゃんから目を離さないように、必ず見守りながら遊ばせてあげてくださいね。
日光浴ではなく「疑似(ぎじ)日光浴」でビタミンを補給!
「お外で日向ぼっこさせて、ビタミンDを補給させてあげたい」と考える飼い主さんもいるでしょう。たしかに、ビタミンDは骨を丈夫にするために大切な栄養素ですが、フクモモンガは夜行性なので、本来、強い日光は必要ありません。
必要なビタミンDは、以下の方法で安全に補給してあげましょう。
- サプリメントの活用:フクロモモンガ専用のフードや、動物病院で推奨されたビタミン・ミネラルのサプリメントを、ご飯に混ぜて与えるのが最も安全で確実な方法です。
- 紫外線ライト(UVBライト)の設置:どうしても自然光に近い形で補給したい場合は、爬虫類飼育などで使われる「UVBライト」をケージから少し離れた場所に設置し、フクモモちゃんが「光から逃げられる場所」を作ってあげたうえで、短時間だけ当ててあげてください。ただし、ライトの距離や時間を間違えると、かえって目に負担をかけることがあるので、必ず専門店や獣医さんに相談してから導入しましょう。
飼い主さんとの「スキンシップの時間」を増やす
フクロモモンガは、とっても社会性の高い生き物です。仲間との触れ合いが大好きなので、飼い主さんとのスキンシップが、何よりも大きな安心と喜びになります。
- ポーチでのお出かけ:フクロモモンガ専用のお出かけ用ポーチにフクモモちゃんを入れて、飼い主さんの服の中やポケットに入れて、室内を一緒に移動してあげましょう。飼い主さんの体温や匂いを近くに感じられるので、フクモモちゃんは安心できます。
- 夜のお遊びタイム:夜、フクモモちゃんが活発になる時間に、飼い主さんの体を使ってアスレチックをさせてあげましょう。肩に乗せたり、腕を伝わせたり、飼い主さんと一緒に遊ぶことで、運動不足の解消と信頼関係の強化につながります。

Q&A:それでも外に出したい! と思ったら知っておくべきこと
「どうしても病院に連れて行くときなど、外に出さなきゃいけないときはどうしたらいいの?」といった疑問や、「どうしても家の庭で少しだけ…」という気持ちが出てきたときのために、最後に「絶対に守るべきルール」をお伝えします。
Q1. 病院へ連れて行くときはどうしたらいいの?
動物病院への移動など、どうしても「外に連れ出さなければならない時」は、フクモモちゃんの安全を最優先に考えてください。
- 専用のキャリーケースを使用:通気性が良く、フクモモちゃんが落ち着けるよう、中に慣れたポーチや布を入れたキャリーケースに入れましょう。
- キャリーケースは布で覆う:外の光や音、景色にパニックにならないように、キャリーケース全体を厚手の布やタオルで覆って、暗く静かな状態を保ってあげてください。
- 移動時間は最短に:冷暖房が効いた車内や、電車移動など、温度変化が少ない方法を選び、移動時間はできるだけ短く済ませるように心がけてください。
Q2. 庭やベランダなら大丈夫?
自宅の庭やベランダであっても、基本的にはおすすめできません。
- 庭:土には寄生虫や菌がいます。また、上空にはカラスなどの天敵がいますし、隣の家の猫が侵入してくる可能性もあります。
- ベランダ:手すりから落ちる危険、急な風で体が冷える危険、そして鳥が来る危険性があります。
もし、どうしても新鮮な空気を感じさせたいのであれば、「網戸越し」に窓を開け、フクモモちゃんをケージに入れたまま、飼い主さんがそばにいる状態で、短時間だけにしてあげてください。その際も、直射日光が当たらないように日陰を選びましょう。
Q3. ハーネス(リード)をつけていれば安心?
ハーネスは、絶対的な安全を保証するものではありません。
フクロモモンガの体は柔軟で、体が濡れていたり、パニックになったりすると、ハーネスがすり抜けてしまうことが非常に多いです。さらに、ハーネスを嫌がって暴れることで、骨折や脱臼などのケガを負わせてしまうリスクもあります。
万が一の脱走を防ぐためにも、ハーネスでの散歩は避けて、安全な室内で遊ばせてあげるようにしましょう。フクモモちゃんにとって、飼い主さんの手の中や安心できるポーチの中が、最高の安全地帯なのです。
まとめ
この記事では、フクロモモンガを外で散歩させることの危険性について、詳しくお話ししました。
フクロモモンガは、夜行性で臆病なため、強い日光や大きな音、見慣れない景色が大きなストレスになります。さらに、逃走のリスク、寄生虫・病原菌の感染、そしてカラスや猫といった天敵から命を奪われる危険性があるため、屋外での散歩は絶対に避けるべきです。
あなたのフクモモちゃんが一番喜ぶのは、安全な室内で、飼い主さんと一緒に遊ぶ時間です。
- 安全な室内プレイグラウンドで運動欲を満たす
- サプリメントなどでビタミンを補給する
- ポーチで飼い主さんのぬくもりを感じる
これらの方法で、フクモモちゃんは十分に幸せを感じられます。愛するフクモモちゃんを危険な目に遭わせないよう、この記事を読んで、安全な飼育環境を守る大切さを再確認してもらえたら嬉しいです。お互いにハッピーなモモンガライフを送りましょう!


