「まるでおっさん!?」「いや、天使か…!」 リチャードソンジリス(通称:リチャ)を飼い始めると、そのあまりにも人間臭く、そして愛らしい行動の数々に毎日が驚きの連続になります。
ジリスの中では比較的小柄で、ぷっくりとした体型がたまらないリチャ。しかし、いざお迎えしてみると「この寝方、大丈夫?」「夜中に全然動かないけど夜行性じゃないの?」と、初めての行動に戸惑う飼い主さんも少なくありません。
今回は、リチャードソンジリスの睡眠事情や巣作りのこだわり、そして運動に欠かせない回し車やお散歩(ハーネスの是非)について、飼育者のリアルな目線を交えて詳しく紐解いていきます。

リチャードソンジリスは「夜行性」ではない?知っておきたい睡眠事情
実は完全な「昼行性」!人間と同じ生活リズム
ペットショップで夜静かにしている姿を見て「夜行性なのかな?」と思う方もいるかもしれませんが、リチャードソンジリスは完全な昼行性(昼間に活動する生き物)です。
野生下では太陽が出ている間に地上でエサを探し、夜は天敵を避けて地下の巣穴で眠りにつきます。そのため、飼育下でも人間の生活リズムに非常に合わせやすいのが大きな魅力。朝になるとゴソゴソと起き出し、飼い主さんが寝る時間にはすっかり夢の中、という規則正しい生活を送ってくれます。
意外と寝る?リチャの睡眠時間
個体差や年齢にもよりますが、大人のリチャードソンジリスの睡眠時間は1日あたり約10〜14時間ほど。 「昼行性」とはいえ、1日中ずっと動き回っているわけではありません。お昼過ぎになると、ケージの隅やお気に入りの場所でウトウトと昼寝を始める姿がよく見られます。
「へそ天」に「行き倒れ」?ユニークすぎる寝方と巣作りのこだわり

心配になるほどの爆睡!野生を忘れた(?)寝姿
リチャを飼育していて最も癒やされ、かつ最初は驚かされるのがその「寝相」です。
- 仰向け(へそ天): お腹を完全に上に向けて、短い手足をピンと伸ばして眠ります。「警戒心はどこへ行ったの?」とツッコミたくなるほど無防備です。
- 行き倒れスタイル: 走っていた途中で力尽きたかのように、突如床にベタッと突っ伏して寝始めます。
- 団子丸まり: 寒い日などは、頭をお腹にうずめるようにして完全に丸くなって眠ります。
リチャの睡眠は深いことが多く、ちょっとやそっとの足音では起きないことも。「生きてる!?」と不安になって声をかけると、薄目をあけて「ふわぁ…」とあくびを噛み殺すような仕草を見せてくれてホッとさせられます。
職人気質!必死すぎる「巣作り」行動
リチャードソンジリスは、巣作り(ベッドメイキング)に対して並々ならぬ情熱を持っています。 ケージ内に牧草やペーパータイプの床材を入れておくと、口いっぱいにモグモグと詰め込み、両手で器用に押し固めながらお気に入りの寝床を作り上げます。
飼育のワンポイント: 巣作りの時期や気分のよって、毎日ベッドの形が変わることも。せっかく作った巣を掃除でリセットしてしまうとガッカリした顔(に見える表情)をされるので、汚れた部分だけを部分的に変えてあげるのが、リチャに嫌われないコツです。
回し車は必要?サイズ選びと安全性のチェックポイント
地下を掘り進む野生の習性があるリチャは、とにかくエネルギーが有り余っています。ケージ飼育において、ストレスと運動不足を解消するための「回し車(ホイール)」は必須アイテムです。
しかし、体が大きくなるリチャだからこそ、選び方には細心の注意が必要です。
回し車を選ぶときの3大条件
- 直径30cm以上のサイズ: 体が大きくなってきたリチャに対してホイールが小さすぎると、走るときに背中が不自然に反ってしまい、脊椎を痛める原因になります。チンチラやハリネズミ用として売られている大型のものがベストです。
- 足が挟まらない「網目なし」タイプ: メッシュタイプ(網目)や、支柱とホイールの隙間に体が挟まる構造のものは、リチャの爪や足を引っ掛けて骨折する大事故に繋がりかねません。プラスチック製のフラットな走行面を持つホイールを選びましょう。
- 静音性: 昼行性とはいえ、朝方や夕方に猛ダッシュすることが多いです。ベアリングがしっかりした静音設計のものを選ばないと、お部屋の中がなかなかの大音量になります。
お散歩(部屋んぽ)とハーネスの注意点
ケージの外で遊ばせる「部屋んぽ(お散歩)」は、リチャとの絆を深める最高の時間です。ただし、ネットでよく見かける「ハーネスをつけて外をお散歩」には、飼育者の間でもかなり慎重な意見が多いのが現状です。

ハーネスは本当に安全?知っておきたいリスク
公園などでリチャを散歩させている動画はとても魅力的ですが、リアルな飼育現場の目線から言うと、屋外の散歩やハーネスの着用はあまりおすすめできません。
- 骨格の脆さ: ジリスの骨は意外と細く、パニックを起こして暴れた際にハーネスに引っ張られて脱臼や骨折をするケースが後を絶ちません。
- ストレスと恐怖: 開けた場所に出ると、上空からの天敵(鳥など)を本能的に恐れて強いパニック状態に陥ることがあります。
- 感染症・ノミ・ダニのリスク: 外の草むらには犬猫の糞尿や害虫が潜んでいます。
安全に楽しむなら「室内での部屋んぽ」が正解!
リチャの運動不足を解消するなら、室内の安全なスペースを区切って行う「部屋んぽ」で十分です。
- かじり対策: 電気コード、壁紙、家具の脚などは確実に保護するか、ペットフェンスで仕切ってリチャが触れないようにしてください。
- 隙間のブロック: ソファの下や家具の裏など、10cmほどの隙間があれば簡単に潜り込んで出てこなくなります。あらかじめクッションなどで塞いでおきましょう。
飼い主さんの足元にトコトコと寄ってきて、おねだりするように見上げてくる部屋んぽの時間は、何物にも代えがたい癒やしのひとときになりますよ。
まとめ
完全な昼行性で、人間と同じリズムで暮らせるリチャードソンジリス。 そのココミカルな仰向け寝や、一生懸命な巣作り、そして回し車を全力で回す姿は、見ているだけでこちらの疲れを吹き飛ばしてくれます。
ちょっと臆病でデリケートな一面もあるため、外でのハーネス散歩などは控えたほうが無難ですが、お部屋の中で安全な環境を作ってあげれば、これ以上ないほど愉快で愛らしいパートナーになってくれます。 ぜひ、リチャのペースに寄り添いながら、ドタバタで愛おしい毎日を楽しんでくださいね。

